パンと それにつけるもの 

 もう六月。今日はとても良い天気です。今年ももう半分近くになろうとしているんですね。鳥の声が心なしか多彩な気がします。ひさしぶりでホトトギスや青葉ズクをききました。目撃はしていませんが、ヤマセミの声も聞いたと思う。さえずりの中の朝ごはんは楽しい。久しぶりで隣町のパン屋さんまで行ってたくさんパンを買いました。


 ネットでパンにつけるものランキングを見ましたら、マーガリンが第一位でした。私はマーガリンあまりつかわないんですよ。フランスパン・バゲットなんかには、オリーヴ・オイルなどをつけて食べます。このごろ、さまざまなオイルが売られていますでしょ?その味を試すために、パンにつけて食べていたら、なんだかそれが癖になっちゃって。


 写真手前の染付けギヤマン形皿に、グレープ・シード・オイル。パセリがふってあります。その隣、木の葉形豆皿にはクリームチーズに胡桃を混ぜたもの。左端にコロンと丸見えの無花果パンにつけて食べると美味しいの。かたちも、そのまま無花果のこのパン、中にはこれでもかというほど白無花果が入っているんですよ。さて、楕円形の平皿「にんじん」には田舎風パンのサンドイッチです。鶏ミンチのバジルソース炒めをはさんで。真ん中の瓜形向付けにはトマト、モッツァレラチーズ、レタスの定番イタリア国旗色のサラダ。黒いのはオリーヴです。このやや大き目の向こう付けはいろいろに使いまわせて、見た目より出番の多い器です。ギヤマン形皿は今新しいデザインを考えているところです。使いながら考えるんです。


 まな板の上に乗っているのは、今日のジャム。だれでもなさることでしょうが、日曜には冷蔵庫を開けて、早く食べた方がよいものをチェックしますよね。目に付いた傷みそうな桃と四分一残っていた林檎にドライフルーツを入れてさっと煮ました。果物の甘味だけで充分甘い今日のジャムです。ニンジンもちょっと入れました。まんなかは、エシレ・バターです。おいしいですよね。


 右奥の染付け小皿にキャロット・ラペ(にんじんしりしりーともいう)。さてモーツァルトでもかけて朝ごはんにしますか。雨の日はショパンにする、私って本当に通俗。最近いただいたCDのショパンがすっごくロマンチックで車の中で聞いているんですが、ついつい終わるまで不必要に車を走らせてしまいます。エコじゃないですね。気をつけないと。


 小鳥達はモーツァルトが好きといいますが、確かに私のへたくそなピアノでも他の曲に比べて窓の外の木の枝に小鳥が来る様な気がします。ショパンを弾くと、蝉の声が大きくなるように聞こえるのは、絶対気のせいですよね。


 あ、鶺鴒の声がする。屋根の上から眼下の川まで一閃に飛び降りる鶺鴒には、驚かされます。この川には黄鶺鴒が多いですね。このところ大瑠璃は見てないな。美しい青い鳥。来てくれないかしら。そういえば人間には黒くて不気味な姿に見えるカラスも、鴉自身の眼には瑠璃色に見えて居ると何かで読みました。カラスはきっと「俺達かっこいい」と思ってるんですね。たしかにそんな風な態度にも見える。


 パンとそれにつけるものをくれ!、フランス革命のとき民衆は「パンをくれ!」ではなく、こう言ったといいます。なんだか良いな、わかる。        

 

   囀りやパン切り包丁切れすぎて   おるか  

 

                           2015年6月1日