うつわ歳時記 これまでの表紙


節分蕎麦


 もう、二月。寒さも、もうしばらくの辛抱ですね。日暮れは大分長くなりました。ブログにも書きましたが、節分蕎麦なるものが売られていました。長いものが縁起が良いと言うことなのでしょうか。春めいた気分を楽しもうと、呉須赤絵菓子鉢にかけ蕎麦。

 

  新しく作った赤絵唐獅子飯碗に、菜の花とひじき豆の辛し和え。染付け四方小付けにも菜花の、こちらは普通に胡麻和え。 


 染付けの小鉢も新しく作ってみたものです。なんという名前にしましょうか。うーん、あばれ縞?縞模様は一個一個ちがうんですよ。使い栄えのする器かな、と思います。


  猫のお雛様たちも久しぶりに日の光を浴びて楽しそう。他の猫雛様たちは、お店に出掛けていますがこの猫さんたちは、数が揃わなくなってしまったり、わけありの居残り組みです。

 

 さて、冒頭にも書いた節分蕎麦ですが、お正月の儀式が節分に下がってくる傾向というのが昔からあるような気がします。たとえばヒイラギに魚の頭なども、もとはお正月の風習でした。平安時代、大晦日におこなわれた追儺の儀式が冬の終りに邪を祓うために再演されると言うのもわかります。まぁ、恵方巻きを、もくもく食べるよりは食べやすいですよね。お蕎麦なら。


 節分も中国の六世紀ごろの習俗が記録されています。「荊楚歳時記」によると爆竹をならしてまず山躁をはらう。などとあります。山躁ってどんな鬼なんでしょうね。その書によると、鬼は、大きな音や悪臭や尖ったものなどが嫌いみたいです。鬼って繊細なんですね。

 

 私などは、自分自身が、山姥みたいなものですから、あえて鬼を祓ってやらねば、という気持ちにもなりません。地獄の獄卒さんたちとも、ほどほどにお付き合い願おうと思っております。

          


   化け猫を飼はむと豆を撒かずをり   おるか  


 


                           2015年2月2日